2021年の金利動向を考える
あけましておめでとうございます。
新年早々にフラット35の1月実行金利が発表されましたが新規借入融資率9割以下の一般団信で金利1.290%でした。12月実行金利が1.310%だったので微減という結果です。
■世界的な金利動向
2020年は新型コロナウィルスの影響により、世界的に景気が大幅に悪化。各国で中央銀行による資金供給の政策がとられ、金利は横ばいもしくは下落傾向となりました。
■日本の金利動向
日本の市場金利も昨年1年間で、緊急事態宣言の発令や政権交代、度重なる国債増発によって多少の動きはありましたが、住宅ローンの金利については予想以上に安定した推移をみせました。要するにほとんど変わらなかった、という結果でした。
住宅ローンについては変動金利は変更した銀行はありませんでした。10年固定で若干動きがみられましたが顕著なものではなく、冒頭にお話ししたフラット35についても小数点第二位での小さな上下はありましたが、ほぼ変わりなしという結果です。
出典:MOGE CHECK 金利インデックス
さて気になる2021年の住宅ローン金利の動向ですが、以下のように予想します。
■変動金利は変わらない。
変動金利は短期金利市場から資金調達しているのですが、その指標は日本銀行の政策金利(無担保コール翌日物レート)なのですが、これは金融緩和政策により下落試続けており現在は▲0.1%です。
加えて各銀行は景気低迷により貸出先が少なくなっており住宅ローンの獲得にかなり意欲的。金利の引き下げ競争は過熱しています。
以上の2つの理由から変動金利は底値を続けるのではないかと予想します。
■固定金利は史上最低水準へ
フラット35は貸し出し資金を市場から調達しているため、金利は日本国債10年の利回りとほぼ連動しています。日銀による金融緩和政策により10年国債金利は下がり続けており、2021年の固定金利は史上最低水準になることが予想されます。民間銀行による長期固定金利も同様に最低水準となることでしょう。とはいってもすでに住宅ローン金利は底値であり、劇的に昨年以上下がることはないでしょう。もはや銀行がコスト割れしかねない最低基準の金利になっており「もう下げれないよ」が銀行の本音だと思います。
まとめると以下の通りです。
■2021年住宅ローン金利予想
・変動金は変わらず史上最低水準を維持
・固定金利はごくわずかに引き下げ
コロナウィルスの収束を心から祈っていますが、逆に言うとそれは同時に景気がよくなる=最低金利時代の終焉となる可能性も秘めています。
いまは日本経済は逆境に立たされていますが、住宅ローンを新規に組む、あるいは借り換えを検討する方にとっては低金利のメリットを享受する絶好のチャンスともいえるでしょう。