不動産屋のおもしろ話 第七話
さくら前線、今年はちょっと駆け足でやってくるようですね。
東京に住んでいたころは繁忙期がお花見シーズンで無縁でしたが、
函館は繁忙期明けにやってくるので、今年は久しぶりのお花見ができそうで楽しみです。
さて、今回は私の新橋サラリーマン時代のお話。
かんたんです。
上司「おーい齊藤君、パソコンが壊れたばい。」
はい、上司がお呼びです。
齊藤「(フリーズやビジーになる度に壊れて新しいのを買っていたら、日本経済もちょっとは活性化すると思いますが)とりあえず強制終了して再起動したら動くようになりました。あと、これは電源ではなくイヤホンの穴です。」と、( )の中を除いて報告し帰卓。
上司「そうか、簡単だな。」
齊藤「はい、簡単です。」
自らとどめでも刺さない限り、実はパソコンは意外に壊れない。
まあ、何をもって「壊れる」というのかは人それぞれだが、ハードディスクのクラッシュや液晶画面の大きなノイズは「壊れる」に入るのだろう。でも、フリーズは壊れていない。
パソコンに限らず、今はリサイクルの時代である。建物だって老朽化すれば改築し再生する。
しかし、そこに住む人の老朽化はどうだろう?
高齢化は進み、支える若者も少ないこのご時世で不安を抱えている人も多いのではないか。
そこで月移住にもまだまだ時間がかかりそうなこの時代に、さらなる不動産新ビジネスが現れる。
ハウスリースバックである。
「ローンの支払いが厳しくなった」
「まとまったお金が必要だけど、今更住み慣れた家を手放したくない」
「家を売って子供の新居資金にしたいけど、古すぎて売れない」
等、そんな悩みを解決する仕組みだ。
簡単に説明すると、今住んでいる家を買い取ってもらい、そのまま賃貸として借りる。
見た目上は何も変わらないまま、人に知られずに売却できるのも人気の理由になっている。*諸条件有ります。
もうひとつ、似たような仕組みでリバースモーゲージというのもある。
これは家を担保にまとまったお金を借りる仕組みなので、ハウスリースバックとは根本的に異なる。
毎月金利だけを払えば良いので負担は少なく、借り入れなのになんと使い道自由だという。
持ち主が死亡したときは家を銀行に引き渡すのでいわゆる「借金がチャラ」になるが、長生きするとその分借入期間が長くなるので必然的に支払額が増える仕組みだ。
現代社会のニーズを的確にとらえた、似て非なるこれらの仕組み。
これから大いに活用されていくだろう。
良いサービスとはわかりやすく簡単で、お互いに気持ちよく損得が一致するものである。
「おーい、斉藤君。」
はい、またお呼びがかかります。
これもサービス?
「エクセルの足し算が出来たぞ。簡単だな。」
「はい、感嘆です。」
注)この話の登場人物は一部たぶんフィクションです。