ミレイユ。
服飾美術学科出身です。
ですが、選択科目にフランス語がありました。
友達と。なんかかっこいいから。という理由だけで取りました。
オーラルコミニュケーションで、難しい文法や単語は出てこず、会話ばかりでした。
先生は、ふつうのフランス人のお母さんでした。
いつも花柄のワンピースを着て、アットホームな明るいフランスのお母さん。
ミレイユ。
ふつうのフランスのお母さんすぎて、日本語が苦手なので、フランス語の説明をフランス語でしてくれて、ほとんどわからない授業でした。
語尾に、かな?って言ったら疑問文になると思っていて、
「ミナサン、イイデスカナ?」
とか言うかわいいミレイユ。
「ミナサン!ドコカで会ったら、声カケテクダサイネ!」
と、アットホームなミレイユ。
ある日の学校帰り、友達とウロウロお買いものしてるとき、ミレイユを見つけました。
どうする?どうする?声かける?
と、友達と相談して、ドキドキしながら声をかけることにしました。
「せんせー!こんにちはー!」
先生と呼ばれたミレイユ、私たちが生徒だとわかったので、実践してきました。
「ボンジュ~~ル!!サ~~バ!!」
売り場全部に響き渡る声量で言ってくれちゃったので、みんなが振り返りました。
声かけなきゃよかった・・・。
「ボボボ、ボンジュー・・・」
と照れまくりで返事をしました。
ミレイユは、息子の旅行用バックを探しているんだけど、どれがいいかわからなくて困っている、一緒に選んでくれないか?というようなことを、2割日本語8割フランス語で言いました。
私たちでよければー!
と引き受け、3人でバック選びをはじめました。
そのうちとっても仲良くなって、ワイワイすごく楽しい時間となりました。
アナタタチのおかげで、イイモノガえらべました、アリガトー!
なことを言ってくれて、ワタシも友達も嬉しい気持ちでミレイユとわかれました。
次のフランス語の授業の時。
ミレイユのところにプリントを置きにいく用事があった友達。
少しドキドキで、でもあんなに仲良くお買いものしたんだからー!と自信をもって、またミレイユに話しかけました。
「せんせー!この前会いましたよねー!」
と。
でもミレイユ、友達の日本語の意味がわからなかったらしく、
「アーソウ!ヨカッタネ~~!」
と。
ひとごとー!!!
声かけなきゃよかった。と、また思ったのでした。
あれから12年。
日本語、うまくなったかな、ミレイユ。
元気かな、ミレイユ。