不動産屋のおもしろ話 第五話
屋上でガーデニング。
聞いただけでわくわくしちゃいます。
そう、TOKIOもやっていたアレですよ、アレ。楽しそうですよね。
第二話「地球と地主」で地球の自然淘汰と月面移住計画の話をしたが、新しい場所として屋根はたしかに月よりはちょっと身近な気がする。
火星や金星も好評分譲中らしいが、やはり月よりもやや坪単価が高い。
たぶん引っ越し費用も高い。
という訳でまずは飛ぶ前に足下であり頭上の屋根に今回は着目してみるとしましょう。
屋根上の散歩者
スカイフロントという言葉をご存じだろうか?
都市化が進み建物でひしめき合っている都心部で、最近流行している屋上の自然保護的な有効活用をそう呼んでいるらしい。
陸屋根を好む有名な建築家もいたくらい、一般的となったフラットな形状の陸屋根。
その上にガーデニング、アウトドアスペースや家庭菜園、しまいにはゴルフ場まで造ろうというのだ。
たしかに限られた土地の中で家を建て、理想の庭を造るというのはなかなか難しい。
建ぺい率のおつり程度の土地で造るしかなかったその庭が、屋上だとほぼ敷地フル活用となり、しかも屋根の防水費用と庭用の土地の値段を比べると、平均で約8倍の格差が出てくるというのだから、「巧」じゃなくても活用しない手はない。
在来工法である木造(W)から鉄骨(S)・鉄筋コンクリート(RC)へと建物が進化し、(∧∧)だった屋根が(∩∩)や(ΠΠ)になり、そして(□□)が可能となった建物の上に、新しい可能性が待っていた\(^。^)/。
単なる建物の有効活用ではなく、環境保護にも貢献しているスカイフロント。
コーディネーターも存在し、受験するにも条件があるという。
- 建築業、造園業などに1年以上従事しているもの
- 建築・造園などの専門教育機関で1年以上学んだもの
- 屋上開発研究会主催の講習会を受講したもの
私の周りでは未だ見かけてないが、いずれかにあてはまらなければ試験も受けられないという立派な民間資格なのである。
「壊して建てる」から、「再利用する」という最近の環境保護の風潮に乗るこの仕事は今後増えていくだろう。
そしてこれからも耐水、補強工事の発達により、ビルの屋上も単なる汚れた空調機置き場から、断熱効果を持ちあわせた緑あふれる癒し空間へと変化し、アスファルトジャングルの上に本当のジャングルが現れる日も近い。
と、いうわけで「屋上の遊園地」と「屋上で青春の〇〇」を予定している方は新しい移住先をご用意願います。
屋上でも自然淘汰が始まっている。