坪単価の意味が分かれば注文住宅の費用に詳しくなれる
注文住宅を検討していくと、複数の工務店やハウスメーカーの話を聞きたくなるもの。複数のハウスメーカーの話を聞いて覚えているのは金額や広さ(大きさ)ではないでしょうか。個々のメーカーが売りにしていることよりも記憶に残りやすいのではないかと思います。
複数のメーカーを見学していると「坪単価」というキーワードに出会います。「坪単価」とは、建物価格の目安を知るために用いられる考え方です。
「坪単価」が安いから建物の価格が安く済むということではありませんので今回は坪単価というキーワードに惑わされないようにするためにはどうしたらよいかをご紹介していきます。
住宅を検討していく中で必ず使われる言葉ですので、ここでは坪単価という考え方をよく理解し惑わされることがないように準備をしてください。
そもそも坪単価とは
「坪単価」とは、家を建てる時の費用の目安となる金額を算出する根拠となるもので、1坪当たりの建築費のことをいいます。建物の本体価格を延床面積(坪)で割った数値のことで、1坪当たり約3.3㎡で算出します。
坪単価が60万円のハウスメーカーがあったとして、見学したモデルハウスが32坪だったとすると、その家は【60万円✕32坪=1,920万円】ということになります。
32坪で2,150万円の家の坪単価はいくらになるでしょう。【2,150万円÷32坪=坪単価67万円】ということになります。
ただし、この「坪単価」には落とし穴があるので注意してください。たくさんのハウスメーカーを回られた方であれば経験しているかもしれませんが、ハウスメーカー・工務店毎にこの「坪単価」の金額が違うだけではなく、「考え方」も違うのです。
「坪単価」の算出方法に決まり(定義)はないのです。なので、ハウスメーカーや工務店毎に本体価格としている金額に含んでいる項目が違います。2,400万円の家だとしても、A工務店では照明器具やカーテンも含んでいる金額。
B工務店では、家は建つけどまだそのままでは住めない状態の金額。というような感じで、建物本体価格に何を含むのかで大きく変わります。
上記の例の場合だと、A工務店の家は2,400万円ですが、B工務店はそのままでは住むことはできないので、照明やカーテン・エアコンなど住める状態に自分で準備をして、200万円が住宅ローン以外に発生してしまい、結果として2,600万円かかってしまうということになります。
「坪単価」の算出方法が異なるため、一概に坪単価が高いから高額な家、坪単価が低いから安価な家ということではないということを覚えておいてください。
ただし、最近は照明やカーテンを含んで金額設定をしているハウスメーカーや工務店が多くあります。詳細の金額を教えてもらうためにはある程度の打ち合わせを重ねなければいけません。
平均的な延床面積(例えば32坪総2階建て)の場合の坪単価を目安的に聞いてみるのはありかもしれません。その際重要なのは、カーテンや照明などどこまでを含んでの坪単価ですか?と確認をすることです。
ハウスメーカー・工務店で坪単価の算出根拠が違うということをここでは覚えておいてください。
坪単価を見る際の注意点
次に「坪単価」を見る際の注意点を5点挙げていきます。
①家が小さくなれば坪単価は割高になる。家が大きくなるほど坪単価は割安なる。
32坪で2,150万円の2階建ての戸建て住宅の場合、坪単価はおおよそ67万円です。40坪で2,400万円だった場合どうでしょうか。坪単価はおおよそ60万円になります。
32坪で2,150万円の2階建ての家を16坪にした場合、建物価格が半分の1,075万円になるかといったらそうではありません。なぜだかわかりますか?
建物を小さくしても一戸建て住宅に基本的に無くてはならない設備は決まっています。キッチンやユニットバス・トイレ・洗面化粧台・玄関ドア等は使いますよね。必ず使う設備の建築資材の費用は変わらないので、坪単価に占める金額へ影響を与えます。
しかし、建物以外の部分へ目を向けると一概にはなんともいえませんので、トータルで考えることをおすすめします。
こちらの記事に建物の総費用のことが書いてあります。
②延床面積と施工床面積の違いで坪単価が変わる。
「坪単価」を算出する際に「延床面積」で試算するとお伝えしてきましたが、「施工床面積」で算出するハウスメーカーもあるので注意が必要です。
「延床面積」には、ベランダ・小屋裏収納・地下室・玄関ポーチなどは含まれません。しかし「施工床面積」には含まれます。よって、延床面積よりも施工床面積の方が同じ家でも広くなります。その結果、「施工床面積」で算出したほうが坪単価を安く見せることができるのです。
もう少し解説すると、延床面積は建築基準法に基づき建物の各階の床面積を足したものです。吹き抜け部分には床がないので延床面積には含まれなかったり、バルコニーもバルコニーの先端から2mまでの部分は延床面積に含まれないといった決まりがあります。
一方、施工床面積は特に決まりがあるわけではありません。なので延床面積で含まれない部分までを含んで算出することが多くあります。
このことから言えることは同じ家でも「延床面積=施工床面積」にはならず、施工床面積の方が延床面積よりも大きな数字になるということです。
これは、広告などで坪単価を表記するハウスメーカーや工務店が増えたことで少しでも価格を安く見せるために施工床面積を利用することが多くなったのではないかと思われます。
なので、モデルハウスなどで営業担当者のスタッフに「この家の坪単価を教えてください」と質問をしても100点の正解は返ってこないと思いますし、しっかりと坪単価の考え方や違いを伝えてくれる営業担当者の方がいると安心しますね。
③本体価格に含まれる費用の項目と坪単価
という記事でもご紹介しましたが、本体価格に含まれる金額と全体(土地も含む)の費用を知っておかなければいけません。
「坪単価」は仕様によっても変動します。例えば32坪2,150万円の家の仕様を変更して、太陽光を装備すると約200〜300万円の費用が追加されます。その他細々と仕様のグレードを上げていくと、建物の大きさは一緒なのに、建物の金額はどんどん高くなってしまいます。
追加費用300万円で太陽光を装備したとすると、【2,450万÷32坪=約76万円/坪】大きさが変化ないのに建物の価格があがっているので、坪単価は自然と上がっていきます。
ただ、坪単価というキーワード自体は住宅を購入する前までに使うことが多く、住宅を購入した人で後に坪単価を気にしている人というのは聞いたことが無いですね。
最初に聞いた坪単価で建てるハウスメーカーや工務店を選んでしまって失敗したという方もマイホームを建てる方の中にはいますので坪単価は目安に留めておいて、実際に自分たちの希望の間取りで総費用がどのくらいになるのかが重要なポイントになります。
最近は、坪単価で意図的に金額の話題になりそうな場合は、「お客様により仕様も大きさも変わってくるので申し上げられません。」という営業担当者が増えてきているのではないかと思います。
お客様が少しでも不安に思うことをしないという当たり前のことですが、知っておいて間違いはありません。
④家の形状によって坪単価は変動する
同じ坪数の建物でも形状によって価格が変動し坪単価が変わる場合もあります。例えばインターデコハウスの事例でいうと下記の2つの商品は同じ坪数ですが形状が違いますよね。
同じ34坪の建物ですが、上の南欧風商品の写真は真四角の総2階建てのプランで、下の北欧風商品の写真は凹凸があり、ちょっと変わった形状をしていますよね。
下の写真の建物のほうが1階部分の面積が大きいため基礎の面積も多くなります。また、建物に凹凸が多いため使用する木材や外壁材、屋根材などが多くなります。結果として使用する建材が総2階建てのプランよりも多くなるために価格は高くなってしまいます。
なのでこの写真でいうと例えば、
南欧風の家|34坪で2,000万円とした場合、坪単価が約58万円
北欧風の家|34坪で2,300万円とした場合、坪単価が約67万円
というように同じ大きさの建物でも価格が違うので坪単価も大きく変わってきます。また、使用している建材の価格なども違いますので坪単価だけで惑わされないようにしましょう。
建物をできるだけコストを抑えたプランにするには総2階建てにするなど、工夫をすることで建物の総予算を抑えることもできます。予算とプランを見比べてしっかりとプランニングをしてもらいましょう。
⑤ベースの商品によっても坪単価が変わる
例えば、インターデコハウスとCOZYという2つの商品を見てみましょう。外観だけでも違いがわかりますよね。同じ坪数でも形状や仕様が違うため金額にも差が出て結果として坪単価に違いがでてきます。
住宅会社によって販売している商品は違います。その違いというのは見た目だけではなく使用している建材や工法、さらには職人さんも違います。
坪単価はだいたいの目安にはなるかもしれませんが、このように違いを考えていくと同じ大きさの家でも坪単価が違ったりすることがわかったでしょうか?
A社のデザインや家に対する考え方はすごく納得できたし営業担当者ともすごく仲良くなれたけど、B社の方がA社より家も広くて価格も安い。というようなことも住宅を検討していく中では起こります。
その時は、提示されている見積もりの中に何が入っているのかをきちんと確認して比較することをしてみて下さい。B社の方はお客様が希望していたことが入っていないかもしれませんし、あとから追加費用になります。と言われても困りますよね。
販売している商品によって価格(坪単価)に違いがあるということを知っておいて下さい。
坪単価53万円からの家
ビアスワークスで提供している住宅商品の坪単価をいくつかご紹介します。以前ご紹介した記事で価格帯別での商品のご紹介はさせていただいています。その時の記事はこちら
こちらのCOZYという商品はTVCMでもおなじみの商品ですが、「自分サイズ・ちょうどいい・月々家賃並み・5万円台から」というキャッチフレーズがついている住宅商品です。
こちらのCOZYという商品は函館地域では坪53万円からご提供しています。お引き渡し後からすぐにご入居して住めるように、照明やカーテンも含んだ価格を提示させていただいております。
坪53万円ということは30坪の家だと1,590万円となります。土地代が600万円で諸費用が200万円だとして総費用が2,390万円ですね。函館だと40年ローンが普及していますので40年支払いで住宅ローンを組んだとすると月々の支払いが58,198円となります。(時期によって若干の変動はあります)
土地によって総費用が変わってきますので、月々の支払額ももちろん変動しますが、ビアスワークスで提供している商品の中では価格帯だけでいうと一番お手頃な商品になっています。
坪単価60万円からの家
次にこちらのb.i.v HOMESという商品ですが、こちらの商品は坪単価が60万円〜の商品です。外観の特徴としては白い塗り壁を採用しています。家の正面には窓が無いプランが多くあります。
このような外観が特徴の商品となっています。前述のCOZYと比較しても違いがわかりますよね?同じ住宅商品ですが、このような一つ一つお客様の要望を聞いて作っていく注文住宅では使う建築資材も違うため、価格が大きく変わってきます。
このような和との融合が表現できたりもします。階段やその先に見える植栽まですべてをトータルでコーディネートしています。こだわりが多くなればなるほど費用は上がっていきますが、このb.i.v HOMESを希望される方の多くは、もともと住宅や暮らし方にこだわりを多く持っている方が多いですね。
坪単価でいうと坪70万円以上の住宅になることもあります。お客様のご要望とご予算次第で変わってくる部分ですのでもしご興味がありましたらお問い合わせいただければと思います。
地域別の坪単価
■都道府県別の平均坪単価
平均床面積/棟 | 平均坪数/棟 | 平均坪単価/棟 | |
北海道 | 123.98 | 37.57 | 60.61 |
青森 | 127.08 | 38.51 | 55.31 |
岩手 | 121.26 | 36.75 | 60.81 |
宮城 | 126.23 | 38.25 | 61.88 |
秋田 | 122.73 | 37.19 | 56.93 |
山形 | 127.83 | 38.74 | 58.68 |
福島 | 127.70 | 38.70 | 64.01 |
茨城 | 119.52 | 36.22 | 60.40 |
栃木 | 121.30 | 36.76 | 60.58 |
群馬 | 120.71 | 36.58 | 61.32 |
埼玉 | 117.99 | 35.75 | 62.40 |
千葉 | 117.91 | 35.73 | 65.00 |
東京都 | 116.78 | 35.39 | 71.18 |
神奈川 | 116.09 | 35.18 | 70.17 |
新潟 | 125.01 | 37.88 | 60.02 |
富山 | 133.00 | 40.30 | 60.35 |
石川 | 129.69 | 39.30 | 59.96 |
福井 | 134.86 | 40.87 | 58.00 |
山梨 | 122.92 | 37.25 | 61.99 |
長野 | 123.16 | 37.32 | 64.60 |
岐阜 | 124.87 | 37.84 | 64.15 |
静岡 | 121.90 | 36.94 | 65.91 |
愛知 | 125.52 | 38.04 | 68.20 |
三重 | 122.78 | 37.21 | 65.21 |
滋賀 | 122.04 | 36.98 | 59.68 |
京都 | 115.65 | 35.05 | 61.05 |
大阪 | 118.25 | 35.83 | 61.08 |
兵庫 | 121.00 | 36.67 | 61.76 |
奈良 | 123.86 | 37.53 | 60.94 |
和歌山 | 118.84 | 36.01 | 59.02 |
鳥取 | 121.47 | 36.81 | 59.55 |
島根 | 121.31 | 36.76 | 60.62 |
岡山 | 118.93 | 36.04 | 65.62 |
広島 | 119.71 | 36.27 | 63.41 |
山口 | 114.84 | 34.80 | 61.96 |
徳島 | 121.90 | 36.94 | 55.99 |
香川 | 121.60 | 36.85 | 60.25 |
愛媛 | 116.88 | 35.42 | 56.86 |
高知 | 116.28 | 35.24 | 60.63 |
福岡 | 120.47 | 36.51 | 60.44 |
佐賀 | 122.00 | 36.97 | 59.31 |
長崎 | 116.13 | 35.19 | 56.62 |
熊本 | 114.03 | 34.56 | 57.37 |
大分 | 119.08 | 36.08 | 58.04 |
宮崎 | 115.92 | 35.13 | 52.66 |
鹿児島 | 110.49 | 33.48 | 56.96 |
沖縄 | 116.70 | 35.36 |
69.76 |
※住宅着工統計2017年版調べ(https://www.e-stat.go.jp/)
上記の表は、2017年の住宅着工統計より抜粋した数値です。全国平均を出しても、平均床面積は121.24㎡、平均坪数は36.74坪、平均坪単価は61.22坪という結果になっています。こちらの数値から言えることは、「大きく平均値は変わらない」ということです。
北海道をとっても、各市区町村で売買されている土地の大きさや価格は違います。函館エリアでも市内と郊外で土地の大きさや価格は違いますよね。
土地の形状によっても、家の仕様をどのようにして総額をどのくらいにするかということで坪単価は変わってきます。
また、前述したとおりハウスメーカーや工務店によって使用する建材設備や構造・工法も変わってきますし、本体価格にどこまで含んでいるかでも坪単価は変わってきます。
なので、見た目の金額が「高いなー」と思っても、一度は気になるハウスメーカーに問合せをして家づくり相談をしてみることをおすすめします。
まとめ
今回は、よく聞く「坪単価」についてお伝えしました。
①そもそも坪単価って何?
②坪単価を見る際の注意点
③地域別の坪単価について
大きく3つの項目でご説明しました。坪単価は家づくりを進めていく上で、「おおよそどのくらいの建物が建つのか」という参考程度の数値として捉えてください。
ただ、坪単価が安いからこの工務店に決めた!というような安易な考えだと家づくりが失敗してしまう可能性がありますのでご注意ください。
ビアスワークスでは、4つの住宅商品を展開しています。それぞれ商品の特徴があり仕様も違うため価格もことなります。その中でも予算を出来る限り抑えたいという方向けの商品も展開しています。ほぼ毎日相談会も開催していますのでまずはお問い合わせしてみてください。
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